このナカニシ社の最新鋭の工場は、防災に優れ、インフラが完備した県営工業団地の見晴らしのよい高台に完成しました。眼下には、美しい田園風景が広がっています。
　約5haの広大な敷地に自生する緑を残し、さらに桜並木の遊歩道を整備。床面積12,000㎡に及ぶ生産棟は将来のエクステンションにフレキシブルに対応できる配置とし、管理厚生棟は別棟として各々の建物の構造と設備の最大限の効率化を図っています。

　生産棟は、社員が安全に、快適に仕事ができるよう高水準の環境衛生設備と防災設備を完備し、オイルミスト対策にも万全を期しています。生産棟の南側に連結する管理厚生棟は、森を眺めるテラスに面したガラス張りの明るい食堂など、社員のリフレッシュ空間と、研修室、オフィスなどが、夏の強い日射を和らげる「ポルティコ」と呼ばれる長いテラス空間に面して連続しています。

　この「ポルティコ」をつくっている列柱はLEDを内蔵し、夕暮れには列柱に明かりが灯り、「光のポルティコ」となって、あたかも美術館やホテルのような印象を与えるでしょう。「光のポルティコ」のファサードデザインでは、ゴールデンプロポーション（黄金比）という生命の成長螺旋の生成比を応用しています。また列柱の間隔は、諸室の配置と連動した合理的な建築構造によって決定され、さらにドヴォルザークの交響曲「新世界より」のスコアを参照した微妙な調整が施され、強さと美を表現しています。「光のポルティコ」の長いファサードは、高精度のステンレスプレートで仕上げられ、そのデザインには、世界一を誇るナカニシ社の製品の品質と美しさへの敬意が込められています。