ナカニシM1新工場計画は、これまで増改築が繰り返された既存生産工場群の集約と生産体制の強化を目的とした基幹工場の位置づけで計画されました。
敷地を可能な限り有効に使えるよう建築のフットプリントを最大化しつつ、高さを低く抑えることで周辺環境への圧迫感の軽減、修景への配慮と同時に、生産ラインの効率化と社員の上下移動の省力化を図りました。災害対策の面では、新工場の1階レベルを既存地盤面より1ｍ程度上げることで、小川の氾濫に万全を期した計画が実現されました。
そして、昨今の建設コスト高騰に配慮して外壁には汎用性の高い素材を採用しつつ、ディテールなどの最小限の工夫によりナカニシ社に相応しい洗練された佇まいを目指しました。
新工場の最上階は、社員の憩いの場となる食堂カフェや健康増進スペース、デッキテラスが計画され、深岩山や大芦川流域、御弊岩などの四季が感じられる豊かな自然環境の眺望を享受します。また、御弊岩と小川に面した屋外歩廊の壁には、ナカニシ社の歴史とアイデンティティが体現されたデザインを施すことで、毎朝通る社員のモチベーションを高めることを意図しました。
今回の新工場整備が、これまで築き上げられたナカニシ社の伝統や歴史に調和しつつ、さらなる進化をもたらすことで、新たな価値創造へつながることを願っています。